コールとレスポンス
出会うためにここにいる
(6月22日の、トークイベントとそのあとのこと)
どこまでを出会いとか縁といっていいのかわからないけど、ごく勝手に縁と感謝を感じているspincoaster野島さんと、踊foot worksのペコリさんのおふたりが出演されるトークイベントがあると知って、新幹線に飛び乗って行ってきました。
18:40ごろ、googleマップの経路は止まって、ほそーい石段を下りた先にあるその小さな建物と「blow out」の激しい色合いの看板らしきものを見つけてしまった私は、マジかよ…と思った。順調に着きすぎてしまった。そして、は、は、入りづらい。勇気がいる。なぜかiPhoneのカメラを構える私に、あのう、と声がかかる。おしゃれな男性ーースタッフの方が、もう受付してると思うので、よかったらどうぞー、と案内してくださって、結果として一番乗りをキメた。声をかけていただけなかったらしっぽをまいていたかもしれずスタッフの方本当に本当にありがとうございました。
すぐあとに続くように、小柄な女性が入ってくる。うわあ、やっぱりこういうところに来る方はおしゃれだなあ、と何千回も思ってきたことを思う。勇気を出して話しかけると、彼女からもいろいろと話してくださって、すごくすごく気さくでやさしい方だった。これで生きていける…来てよかった…と思う。
思った以上にこじんまりとした会場と、お三方+MCの方との近さと、なによりもお客さんの少なさ(10人いなかったのでは!)にずっと緊張していたけど、とても勉強になった。きてよかったです。
わっはっは!
書き終わる気がしないので以下印象的だったことを。
メモをとっておくべきだったんだけど、できなかったので、言葉については多分に間違っている可能性があります。ニュアンスを読んでもらえるとうれしいです。トークとディスカッションの時間と、そのあとの交流会では野島さんから伺った話をふくめて。
※万が一参加者の方でこれをみてくださって、こんなこと言うとらんわ!ということがありましたらお手数ですがご教示ください…。秒で訂正します
野島さん
「(音楽との関わりについて)気がついたら今の状況があるという感じ」
「前職の広告系企業のフェスを担当するために鹿野敦さんの『音小屋』に参加したのが発端」
「記事を書いても、そのアーティストを好きな人しか読まない」
「これからのspincoasterとしては、なにかひとつ当てたい」
「音楽以外の技術的スキルがあるほうがよい」
「音楽を推したいのなら、小さいレーベルに参加してかかわっていくほうがよいかもしれない」
「時代的にキュレーション文化が流行っていたのでキュレーターに書いてもらっていたけど、管理したりすることが難しくなった」
「原稿を書きたい人は多いが、2・3本書いておわってしまうひとが多い」
「個人発信のバズの例としては、大きなフェスへの参加実績を事細かに分析してデータ化し、exciteで連載をもっているまいしろさんなど」
「判断材料にしてもらうためのポートフォリオとして何か発信することはOK(長い道のりなので挫折する人も多いけど…)」
「聴きたい曲がありすぎる」
「きょうも関西からこられたんですか」(!!)
「(上京するのであれば)今来るしかないですね!(笑)」(!!!!)
ペコリさん
「野島さんのトークが流暢過ぎて。いまおいくつですか?32歳?見えないですね。ベンジャミン・バトン系ですね」
「1年の留年のあと就職活動をしているところに、同じく就活中の1学年下のギター(=todenheyさん)と、音楽をあきらめず島根から上京してきてスタジオで働いていた元会社員のDJ(=fanamo'さん)と出会って、就職活動の話もしたりしている中で、1曲つくってみようとなったのがフリーダウンロードでリリースしたアルバムの始まり」
「(※注:その直後の津野米咲さん・三宅正一さんとの出会いや初ライブなどの歴史に触れた後)フジロックの『ルーキー~』に出られたのがひとつのピークで。…はい。…フジロックが楽しかった、っていう話です。(笑)」
「きょくりょ、極論(笑)…きょくりょんを言うとお」
「メジャーになっての印象は『カチカチ』。してもらっていることでも、俺ら自身でできることもあるから、メジャーに行く意味はあまりないかもしれないけど、よかったこともある」
「物忘れが激しい。サブスクリプションやいろんな場面で流れた曲を良い!と思っても、忘れてしまう。フィジカルで聴いていたときは、嗅覚や視覚を含め、五感で聴いていたかなと思う」
「(将来の展望について)もちろん自分が格好良いと思うことをやってそれを成功させたいのと、もうひとつは、韓国のアイドルオーディションに出たいです(笑)」
BOY奥富さん
「(来週末のイベントについて)面白いんですか?ときかれることがあるけど、これが面白くなかったら俺の人生が面白くないということになってしまう…」
「テレビが好きだった。よりコアな情報をもとめて深夜まで観ていた」
「15~16歳くらいからクラブに行っていた」
「両極端な友達がいて、真ん中で学級委員をしていたりしていた」
全然うまくかけない。思い出したら追記します。
野島さんは(やはり踊footさんのライブレポの印象に引っ張られてか)かなり熱くアーティストに寄り添われる、エモーショナルな部分を重視される方というイメージが勝手にあって、けど/だからこそ、同じくらいどうやって?をシビアに考え続けておられているのかなという印象をうけました。音楽が好き以外の強みが必要という言葉の説得力に打ちのめされた。音小屋に行かれていたことと、spincoasterが6人?7人?で運営されていると伺ってびっくりしてしまった。あとは本当に物腰が柔らかくて、理知的かつ優しい空気をまとっておられて本当に素敵だった、貴重なお時間をありがとうございました。
ペコリさんがずっと手を、浅いいすに腰掛ける足の間に置いて前かがみな体勢だったのが目に焼きついているし、まじめなトークテーマにこわばりそうになる空気をふわっと緩めようとされていたり、ちょっぴりたどたどしいMCのかたの質問を瞬時に要約して返事をされていたりしたのもすごく印象的だった。やっぱり、やっぱりというか、少しでも踊foot worksさんやペコリさんを好きな方には何をいまさら案件ではあるのですが、すごーく頭の回転の速いひとだなあと改めて思いました。あと、ロマンチストであり、リアリストであり、そこをすごいバランス感覚で泳いでいるひとという感じがした。あと、オーラが強い。前回のライブで本当に本当に少しだけごあいさつ?をさせていただいたとき本当に気さくでやさしいかただと思ったし、もちろんそうであるにちがいないのですが、まあ纏ってらっしゃるオーラの強さといったら。カリスマ性がすごい。もしもまた機会にめぐまれたら、がんばってご挨拶したいです。
蛇足として、奥富さんとDAOKOさんの出会いのときの話で、初期のDAOKOさんのアーティスト名の表記がひらがなだったときですか?俺ネットラップもしていて、「戯言スピーカー」を歌っていたときそうだったので…とおっしゃっていたのには白目をむきました。まさかペコリさんの口からこの往年のボカロ名曲のタイトルが出てこようとは。いや何の問題もなくむしろすばらしくうれしいことではあるんですけど。おばさんなつかしくてびっくり。っていう。そういえばニコニコ動画で「アーバン或るPecori」さんのいくつかの参加曲を拝聴しましたが、もうこの時点であのペコリさん特有の、華やかできらびやかで『強い』オーラがバチバチでしたね。
あとは「物忘れ」の話も結構衝撃的だった。なんというか、すっかりサブスク世代でいらっしゃるものと思っていた。偏見はよくないですね。「サブスクはフィジカルを駆逐するものではなく、フィジカルはそれはそれとして残っていくはず」とは柴那典さんがどこかでおっしゃっていたように思うのですが、フィジカルでの聴取経験のある最後の世代としての今の30代前半くらいまでのひとたちがフィジカル/サブスクそれぞれとどう付き合っているのかなあというのは個人的にすごく素朴に関心があったので、ペコリさんのことをうかがえてうれしかった。忘れるよなあ…。「サラリーマン的な役割をされているひとの中に音楽好きが減っているのではないかと思う」ともおっしゃっていた!関係あると思われてならない。
BOY奥富さん。正直なところほとんど存じ上げずに行くという失態をおかしました。ほんとうに悔しい。一番アーティスティックというか、まずなにかイメージ?青写真?ファッションも音楽もまるっとのみこんでやろうとすることがあって、そこに周りを巻き込んである種パワフルに貪欲にそこに向かっていくような、台風の目のような、求心力が高いかただな…!という印象でした。来週のイベント凄く楽しいんだろうなあ。ウオオオ!
以下はしょうもない日記!
お客さんの彼女にお茶に付き合ってもらって、やっぱり、好きなものを推したいという気持ちが一番のモチベーションだというような話をして、ほんとうに、うなづきすぎて首が取れるやつだった。これがやりたい!これがおすすめです!と笑顔で話してくれる彼女がほんとうに輝いていて、まぶしかった。(また会いたいです!)
彼女と別れてふらっとはいったご飯やさんで、わたしがいつもぶつかるであろう壁について考える。音楽が好きということ、それで?音楽がすきだから、音楽業界にはいりたいというのは、順番が逆だったなあと本当に人生で何万回目として痛感した。
3人の話にももちろん、近しい人と出会って、とか、呼ばれてとか誘われてという言葉は共通して出てくるのだし、ーー野島さんがおっしゃっていたようにそれはどちらかといえば結果論ということをわかっていてもーー単純に安直に軽率にそういうストーリーにあこがれてしまう気持ちをとめることは難しい、そして、そこがスタートでは絶対にないんだなと思った。音楽を好む気持ち、それで、まず、自分自身を幸せにすることをしなくてはならないんだった。何かかなえたいことがあり、そこに向かう先にだれかと出会うならそれはすばらしいものに違いないし、なによりも私が先だ。音楽より私が先だ。と思った。人生で何億回目に。
混乱する気持ちを整理したくて、大好きなフォロワーさまで、もはや姉と慕うかたにお電話をかけて話をきいてもらう。とりあえずつづちゃんが書きたいブログ書こ!眠くなったら漫画読んだらええし!と笑ってくださった。書きます!また来週!と笑って電話を切る。ネットカフェに向かう。
それで、ブログ開くじゃないですか。楽しいな~とか思って。すげえ、ツイッターに書くのも楽しいけど、めっちゃ書けるやん。みたいな。ちょっとうれしくなって、案の定ツイッターに報告したくなって、青い鳥かごを開ける。
そうしたら、踊foot works「GOKOH」について本当に何十回と読んだインタビュー記事を書いてくださったライターのかたからのリツイートとリプライをいただいてるわけです。
前の記事を読んでいただくとわかるのですが、「GOKOH」が出てからというもの、ワンマンライブ(5/3 渋谷WWWX)の野島さんのレポのリンクをつぶやいたのを野島さんが見かけてくださったり、それがきっかけでペコリさんがリツイートを下さったり、そのお二人のイベントのあとでこのことがあって、ほんとに、開いた口がふさがらない、ありがたすぎて、びっくりしすぎて、ぽかん、としてしまう。
いや、こんなに後光さすことある?!
お友達に励まされたわたしは調子に乗って、じつはライター志望なので、お話できて人生の御来光ですなどと言ってしまったところ、ありがたくもさらにお返事を頂いて、
ここから先はまだ私も知らないけど、なんとかレスポンスになりたくていま必死にこれを打っています。
音楽を人に勧めて、それが気に入ってもらえたら嬉しいとか、好きな音楽に出会えたら嬉しいとかもちろんある、挫折した人が多いのもわかるけど、わたしは多分誰も聞いていなくても好きな音楽の話をするのだろうし、それが必ずしもお金にならなくても、幸せにはなりうると思う。自己満足とかエゴとか呼ばれるであろうもの。
一人の部屋からつぶやいていただけだった私はしあわせだったし、これだけの出会いがあり、後光が差し、もう、それだけでは飽き足らなくなってしまった。オドフットさん最高~!ってインスタあげてそれで黙れたらよかった、けど、もう無理だ!
Twitterで自分が音楽についてつぶやいたり、誰かがそうしたりするのを見る。
タイムラインはいつも音楽や、音楽を愛する気持ちであふれていて、それはそのひとのためのものであって、同時にそれにとどまるものではなくて、わたしは、どうにかしてこの輪の中に入りたい、と思う。
何かを好きだと表現することが、世界を個人に近づける。
音楽に恩返しがしたい、コミニュケーションそのものとしての音楽に還元したい、もっと厳密に言えば、個人の居場所としての音楽をもっと拡張したい。カテゴライズもスノビズムもマウンティングもいらない、好きな音楽の話をもっとできるような社会をつくりたい、そのためのメディアに、プラットフォームになりたい。音楽を介して誰もが誰もと出会える日が来てほしいし、極論、音楽が好きなだけで音楽を仕事にできると思いたい。いつか。何かを好きな気持ちに付きまとう逆説と絶望を覆したい。
もしくは、もっとばかなことで言えば、ツイッターやブログで好き勝手書いて踊foot worksさんを2020年のオリンピックに連れて行きたいしレコード大賞?CDショップ大賞?的な、メジャーど真ん中のプライズを獲ってほしい(もちろん、あのぱっと見、気難しい感じのままで)。たとえ素直な言葉を発せなくても、なにかを作れるし、それでコミニュケーションができるという彼らの証明を裏付けたい。
もちろん、これは音楽ブログでもなんでもなくて、ただ思いのたけを書いた日記で、しかも深夜テンションなので、だいぶあれなんですけど。
でも、もう忘れないように、今日を思い出せるように、ちゃんと祈りになるように、私が滅びても、そのすばらしい音が鳴るように、
書いておきます。
読んでくれた人いたらありがとう~~!!ツイッターでお会いしましょう!!おどまち、と、りぷで声をかけていただいたら、もれなくハムを贈りますので住所をおしえてください。え、重…。
今度こそおやすみなさい~!